[p.1130]
増補地錦抄

杜若るひ 水草也、田土にうへ、常に水おたむべし、肥はごまめ又はごみほこりお入たるもよし、植分春秋、かきつばたは当年花咲たるは、来年消て不生、花立のきわに付きて、ひあふぎの様成葉有り、是に来年花咲故に買調るに心お付べし、能花の咲たるに、つねのたくさん成かきつばたお根にそへて、大かぶにして売る、然ば来年はかの能花立はくさりて、下成つねの花さく、能々吟味有べし、是おかきつばたの養子共、やとひ子共いふ、〈◯中略〉四季杜若 四季共に暖成所に田土に合、肥等分水お少づヽたむべし、水ふかければ、ひへてさかず、時々ごまめおさすべし、又はごみほこりお入たるも可、