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俳家奇人談

山崎宗鑑山崎宗鑑は、近江州の人、〈◯中略〉或時消遥院殿〈実隆卿〉へ、宗長諸とも参るとて、常に愛しける烟蘭(かきつばた)お折りて献りけるに、卿御覧じて、手に持てる姿お見れば餓鬼つばた、と興じ玉ひけるお、のまんとすれど夏の沢水、宗長、蛇に追れて何地かへるらん、鑑が第三なり、