[p.1137]
茅窻漫録

庭忌草芭蕉お庭忌草と名付くるは、桔梗おきちかふといふとおなじく、字音にては、歌によみにくきによりて名付たるにや、庭忌といふは、仏書に此身如芭蕉と雲ふ、其葉脆く風に破れやすき故に、庭に植うる事お忌むとみえたり西国にては神社仏閣より外は植えず、然るに此草に花咲く時は、優曇華の咲きたるとて、大に貴ぶも亦おかし、