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倭訓栞
後編十六/米
めうが 蘘荷お訓ず、和名抄にめがと見えたり、芽香の義なるべし、字音にはあらじ、俗に芽おめうがたけといひ花おめうがのこといへり、茎は干て軍用の草鞋とすべし、根お眼科にめう石とす、薮めうがは花めうがともいふ、実お伊豆縮砂と称せり、山めうがは高良姜也、子お紅豆〓と名くといへり、めうが草あり、俗説に蘘荷お多く食へば愚ならしむるといふは、東坡が志林に、本草に生姜多食損智とあるによて、無恠吾愚、吾食姜多矣と、戯れし事ありしお、訛りて伝へいふなるべしといへり、