[p.1157]
草木育種
下/薬品
莪荗(がじゆつ)〈本草〉 漢種のもの二種あり、形状鬱金に似て、葉の中に紫色あり、此根淡赤し、按ずるにこれ真の莪朮なり、一種は官園に多植、葉に紫色なく、根黄色なり、然ども鬱金とは気味少く異なり、此真の薑黄なり、莪朮に非ず、植る地は赤土野土ともによし、大抵芋お植る如くにしてよし、夏も多く人糞お澆べし、十月頃皆掘あげ乾て薬に入べし、又よくしまりたる根お、来年の種に貯べし、猶子お欠ぬ様にして但茎お切、根はそのまヽにて、南に向て山の崖の日あたりよき地お三四尺掘て、根お埋置ば寒中傷ことなし、四月に入て掘いだし、親根お捨、子お植べし、