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大和本草
六/薬
白及(しらん) 園中にうふるしらんと雲物あり、葉はえびねに似たり、四月に紫花おひらく、其根お白及とす、からよりも来る、薬四にあり、花紫白二色あり、花賞すべし、紫白一処に種れば白者枯、此類の別種にけい(○○)と雲物あり、葉ひろく短し花猶よし、是亦白紫二色あり、葉何れもえびねに似たり、花園にうへて賞するものなり、又花黄色なるあり、葉広、国俗白及のしらんなる事おしらず、蒙筌雲、山根に敷けば衄お止む、山根は両眼の間くぼき処なり、疥癬にすれば虫お殺す、糊にすれば甚ねばる、裱画に用ゆ、冬月手足にあかヾりきるヽに、此根おあぶりて糊とし、用てきれたる処おふさげば愈ゆ、白及おはくりと雲説あり、非なり、丹渓曰、凡吐血不止、宜加白及、