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物類品隲
三/草
南藤 一名風藤、一名石南藤、和名ふうどうかづら(○○○○○○○)、紀伊湯浅橋本仙室曰、先輩南藤おつるうめもどきとするは非なり、形状本草に合ず、ふうどうかづら真の南藤なり、蘇容曰、南藤生南山山谷、今泉州栄州有之、生依南木如馬鞭有節、紫褐色、葉如杏葉而尖、采無時、又曰、天台石南藤四時不凋と、此説つるうめもどきの形状にあらず、ふうどうかづらに近しと、此説是なり、此物紀伊伊豆に甚多し、土人皆ふうどうかづらと呼ぶ、愚〈◯平賀源内〉謂らく、本邦往昔薬物お以て国国より貢上す、当時能此物の風藤たることお知て、其名称到今民間に伝るか、或は又暗に風藤の名和漢同きか、