[p.1189][p.1190]
重修本草綱目啓蒙
十五/蔓草
葎草 かなむぐら(○○○○○)〈転じてかなもぐらと雲ふ〉 なヽもぐら(○○○○○) すいじんのて(○○○○○○)〈佐州〉 むまこかし(○○○○○)〈播州〉 一名渋蘿蔓〈救急本草〉 攬藤 葛勒子秧〈共同上〉 虜虜藤〈野菜博録〉 割人藤〈本経逢原〉 葛葎草〈附方〉 勒蔓〈同上〉 勒麻藤草〈訓蒙字会〉 勾勒蔓〈墨娥小録〉 汗三〈郷薬本草〉 増一名黒草〈証類本草〉旧子地にありて春芽お発す、初二葉お発す、細長にして大麻苗の如し、漸く長じて藤蔓繁延す、葉両両相対す、形蓖麻(とうごまの)葉に似て小く三四寸許、浅緑色、藤と共に毛刺あり、八九月葉間に穂お出す、長さ五七寸、枝多し、小花数百聚り生ず、大さ一分許、五出細尖浅黄緑色、外は淡紫お帯て跗なし、中に黄白色の五蘂あり、是雄なり、其雌なる者は花お開かず、葉間に小穂お出す、長さ一二寸、実お結ぶこと大麻子の如し、子熟して苗根共に枯る、