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重修本草綱目啓蒙
十二/湿草
葒草 おほけたで いぬたで〈古名〉 ほたるたで とうたで〈阿州〉 ひらくちおどし〈肥前〉 まむしぐさ〈伯州〉 守敏草〈同上〉 おにたで〈備後〉 ちやうせんたばこ はちぐさ〈丹波◯中略〉野生はなし、春時種お下す、一たび種れば子落て年々自生す、苗高さ六七尺、茎大にして拇指の如し、葉互生す、形ち烟草葉に似て尖り、柔にして毛茸多し、故に大けたでと雲、葉の柄筋脈及び節お裹たる薄皮、皆深紅色なり、八月枝梢ごとに穂お成し花お開く、浅紅色、蓼穂より長大にして下垂す、後実お結ぶ、円扁大さ一分余、栗殻色にして光あり、酸棗仁の小なるが如し、実熟して苗根共に枯る、