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重修本草綱目啓蒙
十二/湿草
馬蓼 いぬたで おにたで 一名天蓼〈木天蓼条〉 増、一名〓、〈品字揃〉品類多し、野生して辛味なく、食用に堪ざる者お皆いぬたで、或は河原たでと呼ぶ、皆馬蓼なり、葉長じて、青蓼に似たるもあり、葉闊して長きあり、又短きあり、秋に至り、紅葉観べき者あり、又葉の中央左右対して黒斑ある者お、河内にてすつぼんのたでと呼ぶ、是釈名の墨記草なり、是も又斑大にして色深きものあり、斑小にして色淡しきものあり、又色深して八の字の形存するものあり、又青蓼に似て半葉黒き者あり、是は秋に入て茎葉穂共に深紅色となる、俗にほたでと呼ぶ、葉の味甚辛し、