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倭訓栞
前編十三/曾
そば〈◯中略〉 蕎麦お訓ずるも、実の三稜なるより名とせるにや、倭名抄などに、そばむぎともいへり、今くろむぎともいふ、実大にして稜高きお高倉といひ、実小にして稜卑きお米そばと名づく、仁明紀に令畿内国司勧種蕎麦、とみえたり、此事既に元正紀にも出、西土は宋の時より蕎麦の用、尊卑に通ずとぞ、