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重修本草綱目啓蒙
十/湿草
大青 はとくさ〈延喜式〉 くるくさ〈和名抄〉大青小青の二条、集解に説ところの草は、皆和産詳ならず、先師充る所の説亦穏ならず、蓋し古より方書に用ゆる所の大青小青は、皆藍の葉にして別に草あるに非ず、故に集解の説は今皆取らず、医学正伝に、藍葉即大青葉と雲、本経逢原にも藍実大青小青お一条とし、大青小青お藍実の葉とす、宜く此説に従ふべし、然れども其大小青の形状お説には誤りあり、従ふべからず、大抵大小お分て言は、藍に二種ありて葉大なる者お大青と雲、即菘藍(○○)なり、一名大藍、葉小なる者お小青と雲、即蓼藍なり、一名小藍にして、青は藍の字の書かへと見るべし、又書によりて蓼藍のことお、大青と言ることもあり、本経逢原に本経所用藍実乃大青之子、是即所謂蓼藍也と雲、今漢種析江大青と雲者即蓼藍なり、江南大青と雲者即菘藍なり、菘藍蓼藍の形状は十六巻藍の条下に詳にす、又鴨跖草(あおばな)にも大青小青の二名あり、遠志(ひめはぎの)花にも大青の名あり、