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重修本草綱目啓蒙
十二/湿草
虎杖 いたどり(○○○○) たちび(○○○)〈古名〉 さひたづま(○○○○○)〈古歌〉 ふたばのもみぢ(○○○○○○○)〈同上〉 さじな(○○○)〈備後〉 えつたすい〳〵(○○○○○○)〈江州〉 さど(○○)〈豊後〉 だんじ(○○○)〈播州姫路〉 すかんぼう(○○○○○)〈同上〉 だいおん(○○○○)〈同上原村〉 さじつぽ(○○○○)〈勢州〉 かはたけ(○○○○)〈肥前〉 やまたけ(○○○○)〈筑前〉 さすどり(○○○○)〈南部秋田〉 一名主〈丹鉛続録〉 酸桶笋〈救急本草〉 紺著〈郷薬本草、朝鮮の名、〉 枯杖〈通志略〉 醋筒草〈紫背金盤の条、救荒野譜、〉 甘除根〈村家方〉深山に生ずるもの最長大にして茎の囲三四寸、高さ丈余に至る、中空くして節あり竹の如し、老たるものは杖と為べし、然ども折れやすし、蝦夷には囲六七寸、高さ一丈五六尺なるものありと雲ふ、春宿根より苗お発する時、形土当帰(うど)芽の如し、緑色微紅にして紅紫斑あり、二三寸のとき小児採て生食す、味酸し、煮食へば酸味なし、漸く長ずる時は堅〓食べからず、葉互生す、形円長にして一尖あり、長さ六七寸、小者三四寸、又三尖になるもあり、変形のもの多し、夏葉間に花お開く、穂おなして攅簇す、紅白二種あり、花後実お結ぶ、白花のものは、花実ともに唐種の何首烏に似たり、実三角にして薄きひれあり、山萆薢(おにどころの)莢の如し、大さ三四分、これお望めば花の如し、紅花の者は実も赤し、べにいたどりと呼ぶ、