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重修本草綱目啓蒙
七/山草
紫参 ちヽのはぐさ(○○○○○○)〈和名抄〉 はるとらのお(○○○○○○) いろはさう(○○○○○)〈尾州〉 一名青参〈本草彙言〉諸州深山陰処渓側に多く生ず、三四月根頭に先花穂お出す、人家に移し栽る者は二月に開く、その長さ一二寸、花は砕小白色にして粉紅お帯ぶ、蓼花の状に似たり、尋て数葉お出す、形拳参(いぶきとらのお)葉に似て短く闊し、面は深緑色、背は微白色、その根地黄の如く長くして数段あり、地上に延く、年ごとに一段お増し、段ごとに一寸余、細条にて相連り連珠の如し、年久しきもの尺許に至る、黒褐色にして外に褐色の薄皮ありて包む、又細葉の者円葉の者小葉の者あり、舶来は紫参混雑す、宜しく柬び別つべし、