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賀茂翁家集
二/長歌
献三河国高次新墾之蕪時歌一首并短歌名ぐはしき、み河のくにの、にひばりの、にひ御世すらお、そこにしも、ひらきたまひし、大君の、恵のひろに、大御名お、高すのはまの、にひばりに、つくるあおなは、ひさかたの、あめはさゆれど、あらがねの、つちはこほれど、いや生に、おひしみにけり、大君の、おなじみすえの、吾君の、みけにつみ来て、冬ごもる、時にはあれど、御こヽろお、はるのみまけと、みさかえも、千代のわかなと、けふたてまつる、  反歌天ぎらしみ雪降ども三河なるしかすがにこそなは栄えけれ