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重修本草綱目啓蒙
十九/柔滑
薺 なづな(○○○) ばちぐさ(○○○○)〈古歌〉 めなづな(○○○○)〈奥州〉 しやみせんぐさ(○○○○○○○) すもとりぐさ(○○○○○○)〈越後〉 ぺんぺんぐさ(○○○○○○)〈江戸〉 ぴんぴんぐさ(○○○○○○)〈讃州〉 むしつりぐさ(○○○○○○)〈仙台〉 かにとりぐさ(○○○○○○)〈豊後◯中略〉秋時子生ず、其苗地に就て叢生す、葉は蒲公英に似て、岐ごとに一角あり、又多岐なる者あり、又岐なくして水芥菜(いぬからし)の葉の如き者あり、正二月茎お抽て花お生ず、暖地にては十二月に花お開く、穂長く花小く、四弁白色、後莢お結ぶ、三絃の撥の形の如し、熟して根苗共に枯る、河辺の沙地に生じ、最瘠小なる者お沙薺(かはらなつな)と雲、