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百品考

抪娘蒿 和名くぢらぐさ(○○○○○)救荒本草、抪娘蒿、生田野中、苗長二尺許、茎似黄蒿茎、其葉砕小、茸細如鍼、頗黄緑、嫩則可食、老則為柴、苗葉味甜、〈有図〉東国に自生あり、冬より子生ず、嫩苗食ふべし、苗の高さ二三尺葉は黄花蒿(くそにんじん)に似て細く毛茸あり、淡緑色にして黄みお帯ぶ、夏梢に穂おなして花あり、芥に似て至て細し、後に細長き莢お結ぶ、南芥菜(はたざほ)の莢の如し、中に細黄子あり、実熟して苗根共に枯る、古説に此草お角蒿とす、非なり、又抪娘蒿と角蒿同物とする説あり、此亦非なり、抪娘蒿はくぢらぐさ、角蒿は和産未詳、