[p.0085][p.0086]
大和本草
七/園草
景天 本草綱目石草類にのせたり、いはれんげと訓じたる本あり、非なり、順和名にいきくさと訓ず、今世の俗にべんけい草と雲、筑紫にて血どめと雲、これおきりきずにつくれば血おとむる故に名づく、本草にも療金瘡止血といへり、煎湯にて小児のあせぼお洗ふべし、つきただらかして、小児の赤腫につくべし、蒙筌に見えたり、世俗に此草おかべにかけ、しぼみかはきて後、若雷声お発すれば、たちまち色うるはしくして、生なるが如しと雲、蒙筌にかべにかけて養なくしてもかれず、枝おおり土に挟めば生ずと雲り、人家の庭中及仮山盆中などに植ゆ、虫好んで食す、