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広益地錦抄

仏甲草(ぶつかうさう) 葉冬は地に付てれんげのごとく、三月比より段々のびたちて、枯木岩にとり付多くしげり、五六寸ほど有、尺にたらぬ小草なり、四五月ごろ花さく、黄色小りんあいらしく、ながめ有、秋のすえよりかれて地に敷て、いはれんげのごとく、又しほらしくきくめい石、あるひは木石等にとり付て生る、一名仏指甲(ぶつしかう)共雲、又の名一夏草(いちげさう)とも雲、またつるれんげ共雲、岩〓花(いわれんげ) 岩にとり付て生る、れんげのかたちにてちいさく、一つに子多くわかれ生ず、きくめい石木石等にうへてながめとなれり、仏甲草とは各別のものなり、又一種有て〓花大きく色うす白し、唐〓花といふ、岩〓花とは是又別のもの、