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重修本草綱目啓蒙
十三/毒草
狼牙和名抄にこまつなぎと訓ず、大葉のだいこんさうお狼牙に充る古説ありて、今薬四にもだいこんさうお狼牙と称し売れども穏ならず、其大葉のだいこんさうは、湿草類の水楊梅なり、又小葉のだいこんさうあり、救荒本草の水蘿蔔の類なり、狼牙は野州日光及足尾山中に生ず、円茎高さ一二尺葉互生す、三葉一蒂にして蛇莟(おへびいちご)葉の形に似て毛あり、六月枝梢に花お開く、五弁黄色、形蛇苺(へびいちご)花に似て小なり、その根曲り尖りて、獣牙の形に似たり、嫩根は色白く旧根は色黒し、