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重修本草綱目啓蒙
八/山草
柴胡〈◯中略〉又河原柴胡(○○○○)と呼ぶものあり、胡蘿蔔葉に似て背に白毛あり、故にうらじろ(○○○○)とも雲、中夏に至り、五出の黄花お開く、根は皮赭黒色薬舗に粗皮お去りて乾し貨る、庸医誤用て解邪の材とす、これ菜類にして柴胡の類に非ず、即救荒本草の委陵菜一名翻白菜(○○○○○○○○)にして、本草原始の翻白草一名雞腿根なり、又一種河原柴胡あり、此に三葉なる者と、七葉なる者とあり、総じてぶくれうさう(○○○○○○)と呼ぶ、三葉なる者は倭名みつばざいこ(○○○○○○)、即菜部の翻白草、一名湖雞腿、一名雞腿根是なり、この七葉なる者お救荒本草に、雞腿児、一名翻白草と雲ふ、三葉七葉の二品皆葉背に白毛あり、故に翻白草の名あり、今又大葉の河原柴胡(○○○○○○○)と呼ものあり、葉七葉の方に同じくして背に白毛なし、是雞腿児の類なり、又三葉の者と形同くして、背に白毛なきものあり、亦みつばざいこと呼、是翻白草の類也、又白頭翁にしやぐまざいこの名あり、又徐長卿にすヾざいこの名あり、