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成形図説
二十三/菜
比由〈和名抄◯中略〉本草に六種(○○)ありといへども、要は四種ぞあなる、所謂白莧(○○)、赤莧(○○)、斑莧(すぢひゆ/○○)、野莧(のひゆ/○○)なり、家莧(○○)は葉茎大にして方五六寸に至ものあり、白莧およろしとす、斑(すぢ)なるは白莧の変色にて、形は殊に大なり、〈◯中略〉今試るに、莧の類六月以後は食ふに堪へず、老なる時は長甚高く、細花お開き穂おなす、穂中に細子あり、形扁くして光黒し、〈◯中略〉 野莧は、田野に自生す、是お細(ほそ)莧と雲、其茎紫色にして柔に葉細し、其味却て家莧(さとひゆ)に勝れり、