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今昔物語
二十四
一条院失給後上東門院読和歌語第四十一今昔、一条院失させ給て後、後一条院の幼く御座ける時に、瞿麦の花の有けるお、何心もましまさず取らせ給たりけるお、母后上東門院見給て、此なむ読給ひける、みるまヽにつゆぞこぼるヽおくれにしこヽろもしらぬなでしこのはな、と此れお聞く人皆泣けり、