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玉勝間

蓮葉のはひといふ物和名抄に、密爾雅雲、其本密、郭璞注雲、茎下白蒻、在泥中者也、和名波知須乃波比(はちすのはひ)、このはじめの密字お、今のすり本に藕と書るは誤也、今は古本によりて引り、藕は古本には別にあげて、波知須乃禰(はちすのね)とある、延喜内膳式に、荷葉稚葉七十五枚、波斐(はひ)四把半雲々、はひは葉につきたる物ならぬに、歌にはちす葉のはひとよめるは、いかヾなるやうなれども、葉ならでたヾ蓮おもはちす葉と、歌には多くよめれば、はちすのはひといふこヽろなり、