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提醒紀談

蔡花(さいくわ/○○)蓮華お蔡華とも雲、しかれども蔡の字に蓮華の義、字書に無きところなり、浄家の説に、善導の観無量寿経義に雲、此華相伝へて蔡花と雲、これは蓮華お指て雲なり、相伝、古人ありて、天竺国に到て、無熱池の蓮お得て帰りて、これお蔡の池に栽たり、故に蓮おやがて蔡と雲なり、猶いはヾ蔡池に亀お出すによつて、亀おも蔡といへるが如し、〈竜氏乗〉按ずるに、論語集解の何晏注雲、蔡は国君の守亀蔡地に出づ、因て以て名とすと見えたり、