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大和本草
八/水草
睡蓮(ひつじぐさ) ひつじぐさは京都の方言なり、此花ひつじの時よりつぼむ、荇菜の葉に似たり、酉陽雑俎及本草綱目萍蓬草の下に、唐の段公路北戸録お引けり、夏秋花さく、花白くして数重なり、蓮に似小なり、其葉如荇、其花夜はつぼみて水中にかくる、昼は又水面にうかぶ故に睡蓮と雲、北戸録に所雲と相同、他花にことなる物也、蓴菜荇菜の類なり、畿内江州西土処々に多し、他州にも多し、