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蔵玉和歌集

不加見草 牡丹〈此花さく日数廿日也、依廿日草とも号す、〉名ばかりは咲ても草のふかみ草花の比とはいかでみてまし(万)〈◯中略〉  名取草 牡丹折人のこヽろなしとやなとり草花みる時はとがもすくなし(顕仲歌)むかしある女此花お愛して、おほくうへおきて、昼は終日ながめくらし、夜は終夜風に可損事お歎きけるによりて、男他心ありとて離別しけり、咎なきよし聞ひらきて、もとのごとくすみけるとなん、仍名取草と号、