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剪花翁伝
三/四月開花
芍薬花 花白淡紅、濃紅、紅白斑入等品数多し、開花四月中旬、方日向、地中湿、土回塵、肥大便、寒中芽出るまへ、淡小便そヽぐべし、分株、移、秋彼岸よし、上品なるお俗にまがきといふ、蘂大総にして乱れず、葩直く連りて、英皿のごとく、辰の刻より開き、未の刻に葩収て蘂お掩ひ包む、翌日も開くこと昨日のごとし、是のごとくなる事、四五日におよぶ也、下品なるものお、俗に呼て踊子といふ、乃ち開きしまヽにて次第にしぼむ也、