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古今著聞集
六/管絃歌舞
楽所預小監物源頼能は、上古に恥ざる数奇の者也、玉手信近に順て横笛お習けり、信近は南京にあり、頼能其道の遠きおいとはず、或は隔日にむかひ、或は二三日おへだててゆく、信近ある時にはおしへ、或時は教ずして、遠路おむなしく帰るおりも有けり、〈◯中略〉ある時は又豆お苅所にいたりて又是おかり、苅おはりて後、鎌の柄おもて、苗にして教けり、