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大和本草
四/穀
緑豆 倭名ぶんどう、やえなり、夏より秋までしきりにおひ〳〵実なる、又早くうへて早く実のりたるおまけば、其秋又実のる、一年の内二度みのる、故にやえなりと雲、他豆に異なり、能小便お通じ熱毒お消し、一切の毒おけす、殊に酒毒焼酒の毒、附子の毒おけす、粉お水飛して為糕、水線とす、水線は時珍食物本草註曰、索粉とす、凉無毒、凉血解諸毒と雲へり、宋の陳達叟が蔬食譜、碾破緑珠撒成銀縷と雲しは、水線なるべし、又水にひたして白芽お生じたるお煮て、豆油及醋に和し蔬となして食す、食物本草註雲、脾胃虚寒之人不宜久食、緑豆は榧子の殻に反す、害人と本草にいへり、倭俗に雲、緑豆と蕨粉と同食すれば、腹はりて死す、種樹書曰、種〓豆地宜瘠、