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庖厨備用倭名本草
二/菽豆
豌豆 倭名抄にのらまめ、多識篇同じ、元升〈◯向井〉曰、今俗にえんどうと雲、考本草、一名胡豆、又胡戎青斑麻累など雲諸名あり、八九月に種お下す、其苗柔弱にして蔓の如し、ひげあり、葉は蒺藜葉に似て、両両相対し生ず、嫩き時は食すべし、三四月に小花お開く、蛾の形の如し、淡紫色なり、莢の長さ一寸ばかり、みの円なること薬丸の如し、胡地に出るものは大さ杏仁の如し、煮ても炒てもよし、磨して粉麪にして甚白く細膩なり、百穀の中に最先登たり、又野豌豆あり、粒小なり、其苗も食すべし、揺翹と名づく、菜部にみえたり、