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大鏡
七/太政大臣道長
かばかり安穏泰平なる時にはあひなんやとおもふは、おきならがいやしきやどりも、おびひもおときて、かどおだにさヽで、やすらかにのいふしたれば、としもわかく、いのちものびたるぞかし、まづはきたのかたかも、かはらにつくりたる野のまめ(○○○○)さヽげ、うり、なすびといふもの、このなかごろは、さらに術なかりし物おや、