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大和本草
四/穀
白扁豆(○○○) 其類多し、黒赤白斑色あり、薬には白お用ゆ、わかき時さやともに食す、実は薬とす、肥地には種之不可用糞、肥すぐれば実のらず、又しげくうふべからず、甚繁茂す、眉児豆(なんきんまめ/いんげんまめ) 救荒本草に出たり、近年中華より来る、春子おうふ、秋の末にいたり実多し、花紫なり、蔓生す、わかき時莢ともに食す、扁豆の類なり、扁豆より味よし、京都にては隠元豆と雲、筑紫にては南京(きん)豆と雲、甚滋蔓して実多し、しげく種べからず、且肥過れば不実、