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重修本草綱目啓蒙
十七/菽豆
藊豆 あじまめ〈和名抄〉 とうまめ〈土州〉 かきまめ〈予州〉 ひらまめ 一名雪眉同気〈輟耕録〉 白蛾眉豆〈本草原始〉鵲豆 いんげんまめ かきまめ〈雲州〉 つばくらまめ〈遠州〉 かんまめ〈同上〉 なんきんまめ〈筑前〉 ふぢまめ〈江戸〉 八升まめ〈勢州〉 さいまめ〈上総〉 せんごくまめ〈勢州白子〉 いんげんさヽげ〈佐州〉 とうまめ〈城州黄蘗◯中略〉鵲豆は春種お下し、藤蔓(つる)甚長し、葉は葛の葉に似て小さく毛なし、花に紫白の別あり、後扁莢お結ぶ、未だ熟せざるとき、莢お併て煮食ふ、熟すれば豆円扁、黒褐色、或は茶褐色にして、傍に白眉あり、白花の者は色潔白にして小黒点あり、薬用の白藊豆は、苗葉の形状鵲豆に異ならず、隻莢闊く内に〓殻ありて、未熟の者も煮食ふに堪へず、豆は白き鵲豆に比すれば、微黄お帯て、黄大豆の色の如く黒鮎なし、