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大和本草
七/花草
天竺(はき)花 花史雲、観音菊、天竺花是也、五月開至七月、花頭細小、其色純紫、枝葉如嫩柳、其幹之長与人等、篤信曰、和名抄及漢語抄には、鹿鳴草おはぎと訓じ、又萩おはぎと訓ず、万葉集には牙子おはぎと訓じ、又榛の字おもはぎと訓ず、和歌に多くはぎの花およめり、中華には不賞之、はぎに数品あり、其茎冬枯て春新苗お生ずるあり、是お小はぎと雲、茎冬不枯して春茎より葉お生ずるあり、これお木はぎと雲、万葉集に真芽子と雲り、宮城野はぎあり、其花最よし、是は冬かれて、春宿根より苗お生ず、又白はぎあり、糸はぎあり、糸はぎは花紅に盛久し、はぎの茎枯たるは、籬とし薪とす、