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重修本草綱目啓蒙
二十四/喬木
無患子〈◯中略〉釈名鬼見愁(○○○) 古説にわんじゆ(○○○○)に充つ、わんじゆは暖地の産なり、九州紀州にあり、肥後にてはかまかづら(○○○○○○)と雲、海浜に生ず、葉の形防己(つヾらふぢの)葉に似て、末凹なること半に過て、やはずの形に似たり、互生す、夏月花お開き後莢お結ぶ、刀豆(なたまめの)角に似て短く、内に三四子あり、大さ四五分にして円扁なり、厚さ三分許、色黒して光りあり、至て〓し、用て、念珠とす、わんじゆの数珠と雲、然れどもわんじゆは槵珠の音なれば、この草の名とするは誤なり、