[p.0317]
広益地錦抄

百脈根(ひやくみやくこん) 葉は萩のかたち、極てちいさくしげく付、えだ多く地にしく、花形さヽげの花のごとく、うこん色おほく付、四五月にさく、花も葉もあひらしくながめたへず、実はさヽげのごとくにして、一所に二つ宛付、近辺所々芝の間道のかたはらに多く生る、目黒辺、浅茅、王子辺、芝野の中、又は道のかたはらに多く生、花ざかりの節は、行人あしおとヾむるほどながめあり、宿根より生る、又種お蒔てもよくしげる、草花の名烏帽子草共、みやこ草ともいふ、