[p.0322]
重修本草綱目啓蒙
十二/湿草
蒺蔾〈◯中略〉沙苑蒺蔾は和産詳ならず、古来くさねむに充る説は穏ならず、くさねむは華陀中蔵経に載る所の水茸角一名合萌なり、能州にてきつねねむ、越後にてかうかぐさと雲、〈かうかは合歓なり〉水傍に多く自生す、夏秋の間多し、葉は合歓木葉に似たり、夜亦合す、茎高さ二三尺、葉間に花お開く、黄色後莢お結ぶ、長さ一寸余、闊さ三分許、扁にして疙疸多し、熟すれば粒粒莢と共に、折離て数段となる、秋の末苗根共に枯る、