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古名録
十八/香草
久佐乃香〈倭名類聚抄〉 漢名芸香〈本草〉 今名へんるうだ伊勢家集に、式部卿宮のぜんざい合に、草のかういろかはりぬるしらつゆは心おきてもおもふべきかな、とみゆるは、全く当帰(おほぜり)お雲、当帰は秋に至黄み枯る、芸香(へんるうだ)は四時不枯、秋に至て色変るものに非ず、然れども和歌物語に草の香とあるは、皆大芹にして当帰お雲る者なり、