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重修本草綱目啓蒙
十三/毒草
続随子 通名 ほるとさう(○○○○○) こくどさう(○○○○○) ちやうせんやなぎ(○○○○○○○○)〈種樹家〉一名反時生〈物理小識〉 半枝蓮〈本草述〉 拒冬実〈寿世保元〉 白随子〈青囊薬性賦〉八月子生ず、又四五月にも生ず、初出る葉は形細長くして、瞿麦の葉に似て厚く黒みあり、中のすじ白色、葉背茎と共に白し、両葉節に対し、節ごとに互に四方に正く対して十字の如し、茎は太くして円なり、葉と共に切れば白汁お出す、冬に至てたヾちに聳ゆること高さ一二尺、肥地に栽ゆる者は四五尺にすぐ、春に入て生ずる葉は、頓に闊くして脚葉に異なり、漸く茎お長じ、梢に至て五葉対生し、其上に五方に小枝お分ち出し、上に両葉対生す、其葉形短くして本広く末尖る、其両葉漸く開けば、其中に一花お生ず、四弁黄紫色、形ち大戟甘遂花に似て大なり、傍に又一茎お斜に出す、上に両葉あり、漸く茎たち、葉開く時は中に又一花あり、此の如く一節づヽ増して枝長くなり、五方にひろがり、実熟する時には、重くなりて末皆下垂す、初め花ごとに中に小緑実お出し偃垂す、花謝する時は実漸く大になりて茎たつ、実大さ四五分許、形円にして三道あり、熟して黒褐色内に三隔あり、隔ごと一子あり、形蓖麻(とうごまの)子に似て小く、褐色実熟して苗根共に枯る、市中に売る者は和産のみなり、