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重修本草綱目啓蒙
十三下/毒草
鉤吻 一名香菌〈湧幢小品〉 黄野葛〈本経逢原〉 皂葛〈山谷便方〉 苦吻〈広東新話〉 苦薬 苦曼公 大葉茶 妖草〈共同上〉 増、一名吼吻、〈泉州府志〉蔓生、黄精葉、芹葉等数種あり、蔓生の者(○○○○)はつたうるし、一名やまうるし、かきうるし、〈雲州、阿州、〉山野に多し、地錦(つた)の如く木石にとり附て生じ、物に纏はず、三葉ごとに攅生し、漆葉に似て大なり、故につたうるしと名く、又三棄の鉤吻とも雲ふ、蘇恭葉如柿と雲是なり、夏葉間に黄白色の花お開く、地錦の花に似たり、実も亦相似たり、蔓の末は木石に著かず、垂ること二三尺許、〈◯中略〉増、蘭山翁野葛の三葉ごとに攅生し、漆葉に似て大なり、故につたうるしと名くと雲は穏ならず、つたうるしの年お経ざるものは三葉なれども、深山に生じて数年お経るものは、物に纏はずと雖ども、喬木に依て直上して、其木に根お下すこと、常春藤の如し、その葉左右各七八葉ありて、全く漆葉又はぜうるしの葉の如し、其嫩葉の三葉なる者と大に異なり、秋に至て紅葉すること亦漆葉の如し、故につたうるし、やまうるし等の名あり、