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草木育種
下/葉或実視べきもの
仙人掌(さぼてん)〈嶺南雑記〉 又覇王樹ともいふ、本暖国より来る、駿河安房等には大樹ありて、花お開実お結、花は老虎黄(かばいろ)にして形黄薔薇のごとし、実は母指の大にして中に仁あり、蒔てよく生ず、又枝お折て折口へ灰お付、少し日に乾て植れば、よく活(つく)ものなり、夏中人糞汁お澆べし、近頃白斑あるものあり、又石下さぼてんと雲あり、扁して枝少く、其形状扇おひらくがごとし、或雲さぼてんの汁、目に入る時は盲といふ、