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東雅
十四/果蓏
菱子ひし 此物の名は、仁徳天皇の御歌にも、すでに見えたれども、其義の如きは不詳、古語には刀おばひといひけり、此物の実〓、角ある事の刀に似たれば、此名ありけるにや、さらばしと雲ひしは詞助なり、魚おとる器に、ひしといふものゝあるは、此物に因りて名づけ雲ひしと見えたり、