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大和本草
六/薬
人参 参字本参或省作〓有如人形手足者故人参と雲、朝鮮の産お為上品、中夏にも用之、〈◯中略〉唐人参は長崎に来る者朝鮮に次げり、ひげ人参は人参のひげなり、是又自異邦来る、非本邦の産、堅実なる故大人参の性淡きにはまさる、節人参と雲ものあり、葉は芹に似たり、根に節ありひげ多し、山中陰湿の地に生ず、其鬚おひげ人参と雲、節人参は其大なる根なり、薬四に其根及鬚おうる、味苦して気お洩す、人参の気味に似ず不可用、草医是お以人参に代へ用ゆ甚非也、又近年世上にせり人参とて、芹に似たる草おうふ、味も芹に似たり、むかごの如くなる、其根味甘し、未詳其性、本邦の医人参の価貴き故代へ用る物多しと、とき人参、つる人参此二種は砂参なり、人参に代へ用て雖無大補、然れども害なし、〈◯中略〉延喜式日本諸州の土産に人参あり、是亦砂参お以て人参とせしなるべし、