[p.0398]
農業全書
四/菜
独活三四月芽立お生ず、貴賤あまねく賞味する物なり、里遠き山野に生ず、冬より土中なる芽お取て食品とす、されど時ならざるお食ふは、よからぬ事にや、山野の空地多き所にては、地おひらきよくこなし、其根お取、わけて多くうゆべし、其地味よき所にては、甚早く栄へ、殊に味よし、貴賤皆このみ用ゆるものなれば、都近き所、又諸国の国都など、大邑ある近方にて、山野の余地あらば、多く作り立て、市中に出すべし、