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農業全書
五/山野菜
芹せりおうゆるは、根お取て、湿地に畦作りしうへ、常に水湿の絶ざるやうにすべし、地かはけばそだゝず、又湿ある甫に作りて、さかへ肥たるは、殊に甜く牙脆く、口中取分快し、沢などに生るは、葉の間に虫ありて、見えかぬるゆへ、若虫の子お食すれば毒なりと、本草に記せり、取分甫の湿地に筋うへにしたるは刈て食し、泥水おさい〳〵そゝげば、跡よりやがて生ず、味も見かけも、野沢に生るには甚勝れり、朝鮮には肥たる田に多く作りおき、鎌にて刈取、常に菜に用ゆると雲、