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重修本草綱目啓蒙
八/山草
白微 ふなわら(○○○○) ろくえんさう(○○○○○○) てつぽうさう(○○○○○○) おほふなわら(○○○○○○) まるばのふなわら(○○○○○○○○) かきしほ(○○○○)〈阿州〉 一名知微老〈輟耕録〉 竹葉細辛〈郷薬本草〉 百吉草〈同上〉救荒本草の説に拠りて、ろくえんさうに充つ、山野向陽の地に生ず、春宿根より苗お生ず、円茎高さ二三尺許、葉対生す、柿葉に似て小く短し、茎及葉の両背共に白毛あり、夏月梢葉の間ごとに花お開く、末にては数花簇生して穂となる、花の大さ四五分、五弁にして紫黒色、形徐長卿花に似て大なり、花後角お結ぶ、長さ二寸許、内に白絮及び子あり、又白花のものあり、花葉の形状同じ、阿州にてくさたちばな(○○○○○○)と雲、淡州にてしほかぜさう(○○○○○○)と雲、共に根は細長く数多く簇生す、又細葉の白微あり、葉剪夏羅(がんぴ)に似て末尖る、六七月に花お開く紫黒色、是おべんけいさう(○○○○○○)と雲、又大葉の白微あり、種樹家にてつるがしは(○○○○○)と雲、柿葉に似て長さ七八寸四葉対生す、其上は細小葉両対して蔓草となる、其葉間に小紫花簇生す、薬舗に白微の葉お取り、葉ふなわらと名て粥る、増淡州にてしほかぜさうと雲は、白前の混淆なり、一種黄花の者あり、葉小にして細葉の白微に同じ、花も小なり、