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倭訓栞
中編二十一/比
ひるがほ 鼔子花おいへり、野州越後仙台の方言あめふり、越前にこうづる、相州海辺にへびあさがほといふ、日中に咲もの也、又かつほう花といふ、近き御代の御製とぞ、ひるがほは源氏の内になかりけりはたの赤きは平家成べし、墨荘漫録に、明宣徳年、帝夢神語、雨打無声鼔子花、帝口占、風吹不響鈴児草、至今伝為絶対、鈴児草は沙参、俗につりがね草といへり、浜ひるがほは打碗花也といへり、大ひるがほは救急本草の藤長苗也といへり、讃岐の方言ちよく花といへり、白ひるがほあり、南京昼顔は小輪なり、