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草木育種
下/薬品
牽牛(あさがほ)〈本草〉 薬に入には黒白の二種お用、李氏本草綱目に丁香茄苗(てうじあさがほ)〈救荒本草〉お以て白牽牛(はくけんご)とするは誤なるべし、白牽牛は常のあさがほの中にて、種の色白ものなり、近頃江戸大坂にて、多植るゆへ種類甚多、悉挙に暇あらず、花の色は碧色は常品なり、紫淡黄紅、又浅青に紺の竪筋あるものあり、又白して筒の紅きあり、又花弁切たるあり、又切ずして縮たるあり、又花切て弁多ものお乱獅子と名く、又花の筒より細長き花弁出るお孔雀と名く、又八重あり、筒お転ずるものお茶台と雲、又葉の形変ものあり、葉小く厚縮たるお宇津川と名く、又葉黄緑色にして緑斑あるものお松島と名く、又葉細長して柳の如きものあり、又糸瓜(へちま)の葉に似たるものあり、又数多の茎皆寄著て茎扁くなり、枝なくして花多開ものあり、是は石下なり、その余二百余種あり、