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農業全書
十/薬種之類
牽牛子けんごし、黒白の二色あり、子の白きが、直段少高し、是又屋敷廻り余地あらばうゆべし、かきにははせ、薮にもまとはせ、其外他の物のさのみ盛長せざる所にうへ置て、竹お立はヽすべし、土地の費へさのみなく、長くはひまとひ、子多くなる物なり、子お二月蒔置て、三月移しうゆるもよしかきのもとなどにうへ付にして、少糞灰などかけ置べし、秋の末子熟し、蔓も枯て後下に筵など敷、垣おおしたおし打て取べし、又一々つみ取もよし、多少により、所によるべし、薬屋に売て利なき物にあらず、又子お多く取、油おしめ取もよし、